キッチンカー向け補助金・助成金の申請書類作成完全ガイド
最大9,000万円の補助金獲得も可能な申請書類の書き方から、
採択率80%超えの経営計画書作成テクニックまで完全公開。
日本政策金融公庫の創業融資申請方法も詳しく解説します。
目次
1. 【2025年最新】キッチンカーで使える補助金・助成金一覧
2025年現在、キッチンカー開業に活用できる補助金・助成金は複数あります。最大9,000万円の補助を受けることも可能で、開業資金の大幅な削減が期待できます。
🎯 主要な補助金・助成金制度
① 中小企業新事業進出促進補助金【NEW】
2025年度に新設された補助金。既存事業とは異なる新事業への挑戦を支援。キッチンカーによる移動販売事業も対象となる可能性が高い。
- 📍 対象経費:建物費、機械装置費、広告宣伝費など
- 📍 申請期間:第1回締切 2025年7月15日(予定)
- 📍 特徴:事業再構築補助金の後継制度
② 小規模事業者持続化補助金
最も活用されている補助金。キッチンカーの改装費、設備費、広告宣伝費などが対象。
- 📍 通常枠:50万円
- 📍 賃金引上げ枠:200万円
- 📍 創業枠:200万円(開業3年以内)
- 📍 インボイス特例:+50万円上乗せ
③ ものづくり補助金
設備投資を伴う事業に最適。キッチンカーの厨房設備や改装工事費が対象。
- 📍 通常枠:750万円〜1,250万円
- 📍 グローバル枠:3,000万円
- 📍 大幅賃上げ枠:最大5,000万円
- 📍 注意:車両本体は対象外
補助金名 | 補助上限額 | 補助率 | 対象経費 | 申請難易度 |
---|---|---|---|---|
中小企業新事業進出促進補助金 | 最大9,000万円 | 1/2〜2/3 | 建物費、機械装置費、広告宣伝費 | ★★★★☆ |
小規模事業者持続化補助金 | 最大200万円 | 2/3〜3/4 | 改装費、設備費、広告費 | ★★☆☆☆ |
ものづくり補助金 | 最大5,000万円 | 1/2〜2/3 | 厨房設備、改装工事費 | ★★★☆☆ |
IT導入補助金 | 最大450万円 | 1/2〜3/4 | POSシステム、予約システム | ★★☆☆☆ |
事業承継・引継ぎ補助金 | 最大800万円 | 1/2〜2/3 | M&A費用、専門家費用 | ★★★☆☆ |
⚠️ 重要な注意点:車両本体の購入費は多くの補助金で対象外となります。ただし、車両の改装費、厨房設備費、内装工事費などは補助対象です。見積書を作成する際は、必ず「車両費」と「改装費」を分けて記載してもらいましょう。
2. 申請に必要な書類と準備すべきもの
補助金申請には多くの書類が必要です。事前に準備することで、申請期限に余裕を持って対応できます。
📋 小規模事業者持続化補助金の必要書類
全申請者が必須の書類
- 小規模事業者持続化補助金申請書(様式1)
- 経営計画書(様式2)
- 補助事業計画書(様式3)
- 事業支援計画書(様式4)※商工会・商工会議所発行
- 補助金交付申請書(様式5)
- 見積書(2社以上)
- 貸借対照表・損益計算書(直近2期分)
創業者の追加書類
- 特定創業支援等事業の証明書
- 開業届の写し
- 履歴事項全部証明書(法人の場合)
加点を受けるための書類
- 経営革新計画の承認書
- 事業継続力強化計画の認定書
- 地域未来牽引企業の選定証
📋 日本政策金融公庫の創業融資必要書類
申込時の必要書類
- 借入申込書
- 創業計画書
- 設備資金の見積書
- 履歴事項全部証明書(法人)
- 不動産の登記簿謄本(担保提供の場合)
- 運転免許証またはパスポート
- 許認可証(飲食店営業許可証など)
面談時の追加書類
- 預金通帳(直近6ヶ月分)
- 源泉徴収票(直近2年分)
- 住民票
- 公共料金の支払い明細(3ヶ月分)
- 賃貸借契約書(店舗・事務所)
- 売上予測の根拠資料
書類準備のコツ:見積書は必ず2社以上から取得し、相見積もりを行っていることを示しましょう。また、設備の仕様書やカタログも添付すると、審査員に事業内容が伝わりやすくなります。
3. 採択率を上げる経営計画書の書き方
経営計画書は補助金審査の最重要書類です。審査員に「この事業は成功する」と確信させる内容が必要です。
✍️ 経営計画書の構成と書き方
経営計画書テンプレート(小規模事業者持続化補助金)
1. 企業概要
記載例:
「当社は2025年1月に創業したキッチンカー事業者です。代表者は消防設備士、AFP、情報セキュリティマネジメント、運行管理者の4つの国家資格を保有し、安全管理とリスク対策を徹底した移動販売事業を展開しています。主力商品は地元食材を使用した○○で、1日平均50食、客単価1,000円の売上を計画しています。」
- ✅ 事業内容を具体的に記載
- ✅ 代表者の強み・経験をアピール
- ✅ 数値目標を明確に提示
2. 顧客ニーズと市場の動向
記載例:
「コロナ禍を経て、屋外での飲食需要が増加しています。総務省の統計によると、2024年の中食市場は前年比115%成長し、特にキッチンカー市場は130%の成長を記録しました。当社のターゲットは、オフィス街で働く20〜40代のビジネスパーソンで、『手軽に本格的な料理を食べたい』というニーズに応えます。」
- ✅ 公的統計データを引用(総務省統計局)
- ✅ ターゲット層を明確化
- ✅ 市場の成長性を数値で示す
3. 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
記載例:
「当社の強みは3つあります。①食品衛生管理の徹底(HACCP準拠)、②災害時対応能力(BCP策定済み)、③地域密着型の運営(地元農家との直接契約)。特に、消防設備士資格を活かした火災予防対策は、他社にない独自の強みです。」
- ✅ 他社との差別化ポイントを明確に
- ✅ 具体的な資格や認証を記載
- ✅ 地域貢献の視点を含める
4. 経営方針・目標と今後のプラン
記載例:
「3年後に年商3,000万円、キッチンカー3台体制を目指します。1年目は単店黒字化、2年目は2号車導入、3年目は3号車導入とフランチャイズ展開を計画。地域の防災協定締結により、災害時の炊き出し支援も行います。」
- ✅ 具体的な数値目標を設定
- ✅ 段階的な成長計画を提示
- ✅ 社会貢献の視点を加える
📝 採択率を上げる記載のコツ
- SWOT分析を活用して客観的に分析
- 競合他社との差別化を明確に記載
- 地域経済への貢献を具体的に説明
- 雇用創出効果を数値で示す
- SDGsへの取り組みを記載
4. 補助事業計画書の作成テクニック
補助事業計画書は、補助金を使って何を実現するかを具体的に説明する書類です。費用対効果を明確に示すことが重要です。
📊 補助事業計画書の記載ポイント
補助事業計画書テンプレート
1. 補助事業の具体的内容
記載例:
「キッチンカーの改装と設備導入により、1日の提供数を50食から100食に倍増させます。具体的には、①高性能フライヤー導入で調理時間30%短縮、②POSシステム導入で会計時間50%短縮、③看板・ラッピングで認知度向上を図ります。」
2. 補助事業の効果
記載例:
「売上:月100万円→150万円(50%増)、雇用:1名新規採用、地域貢献:地元農家からの仕入れ月20万円増加。投資回収期間は18ヶ月を見込んでいます。」
3. 経費明細表
経費区分 | 内容 | 金額 |
---|---|---|
機械装置費 | 業務用フライヤー、冷蔵庫 | 80万円 |
広報費 | 車両ラッピング、看板制作 | 40万円 |
開発費 | 新メニュー開発、試作 | 30万円 |
⚠️ 注意:補助対象経費は交付決定後に発注・契約したものに限られます。事前着手は原則認められないため、スケジュール管理が重要です。
5. 日本政策金融公庫の創業融資申請方法
日本政策金融公庫の創業融資は、無担保・無保証人で最大3,000万円まで借入可能です。補助金と併用することで、資金調達を確実にできます。
🏦 創業融資の概要
項目 | 内容 |
---|---|
融資限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
金利 | 年2.5%程度(基準金利) |
返済期間 | 設備資金:20年以内 運転資金:7年以内 |
自己資金要件 | 創業資金総額の1/10以上 |
担保・保証人 | 原則不要 |
📝 創業計画書の作成ポイント
キッチンカー事業の創業計画書記入例
1. 創業の動機
「前職の飲食店で10年間調理と店舗管理を経験。独立して地域に愛される移動販売店を開業したい。キッチンカーなら初期投資を抑えつつ、複数の場所で営業できるメリットがある。」
2. 売上高の算出根拠
軌道に乗った後(6ヶ月後):
- 1日売上:5万円(@1,000円×50食)
- 月間売上:100万円(20日営業)
- 原価率:30%(業界平均)
- 粗利益:70万円
3. 必要資金と調達方法
必要資金 | 金額 | 調達方法 | 金額 |
---|---|---|---|
車両購入費 | 200万円 | 自己資金 | 100万円 |
改装費 | 150万円 | 日本政策金融公庫 | 400万円 |
運転資金 | 150万円 | - | - |
合計 | 500万円 | 合計 | 500万円 |
事前相談
最寄りの支店または事業資金相談ダイヤル(0120-154-505)で相談。必要書類や条件を確認。
申込書類提出
借入申込書と創業計画書を作成し、必要書類と共に提出。
面談
担当者と面談。事業計画の詳細を説明。面談は1時間程度。
審査・融資決定
審査期間は2週間程度。融資決定後、契約手続きを経て入金。
6. よくある申請ミスと対策
補助金申請で不採択となる原因の多くは基本的なミスです。以下の点に注意して申請しましょう。
❌ よくある申請ミスTOP10
1. 車両本体を補助対象経費に含めてしまう
対策:見積書は「車両費」と「改装費」を必ず分けて作成。改装費のみを補助対象経費として申請する。
2. 相見積もりを取っていない
対策:1件50万円以上の経費は必ず2社以上から見積もりを取得。価格の妥当性を証明する。
3. 売上予測の根拠が不明確
対策:競合店の実績データ、立地の通行量調査、ターゲット層の人口統計など、客観的データで裏付ける。
4. 経営計画と補助事業計画の整合性がない
対策:両書類で数値や方向性を統一。矛盾がないか第三者にチェックしてもらう。
5. 提出期限ギリギリの申請
対策:締切の1週間前には提出完了。商工会・商工会議所の確認も余裕を持って受ける。
7. 採択率80%超えのための7つのポイント
実際に採択率80%を超える申請書には共通点があります。以下のポイントを押さえて申請しましょう。
✨ 採択率を上げる7つの必勝法
🎯 加点項目を確実に取る方法
加点項目 | 必要な手続き | 加点効果 |
---|---|---|
賃上げ加点 | 事業計画期間中の賃上げ計画表を提出 | ★★★★★ |
事業承継加点 | 代表者が60歳以上で後継者が補助事業に参画 | ★★★★☆ |
経営力向上計画加点 | 中小企業等経営強化法に基づく認定取得 | ★★★★☆ |
地域未来牽引企業加点 | 経済産業省の選定を受ける | ★★★☆☆ |
パートナーシップ構築宣言 | 「パートナーシップ構築宣言」サイトで宣言・公表 | ★★★☆☆ |
8. 補助金額シミュレーター
💰 あなたが受けられる補助金額を計算
事業規模を入力すると、概算の補助金額が分かります
計算結果
9. よくある質問(FAQ)
10. まとめ:今すぐ始める申請準備
キッチンカー開業の補助金・助成金申請は、準備期間を含めて3ヶ月以上かかることを想定して計画を立てましょう。
今週中にやること
商工会議所・商工会に相談予約。補助金の最新情報を入手し、申請要件を確認。
2週間以内にやること
見積書の取得(2社以上)、事業計画の素案作成、必要書類のリスト化。
1ヶ月以内にやること
経営計画書・補助事業計画書の作成、専門家によるチェック、修正。
申請締切1週間前
最終チェック、商工会議所の確認印取得、電子申請または郵送で提出。
🎯 成功のための最終チェックリスト
- 補助対象経費の見積書は2社以上から取得済み
- 車両本体費と改装費は明確に分離
- 売上予測に客観的な根拠データを添付
- 地域貢献の具体的な内容を記載
- 加点項目の申請漏れがない
- 商工会議所・商工会の確認を受けた
- 提出書類に不備・不足がない
補助金申請は「準備が8割」と言われています。この記事を参考に、しっかりと準備を進めて、確実に補助金を獲得しましょう。キッチンカー事業の成功に向けて、今すぐ行動を開始してください!